「瞑想ってどうやるの?」「目を閉じても考え事ばかり浮かんで、無になんか慣れない」など、瞑想を試しにやってみたことのある方には様々な「瞑想できてない」というような意見があります。
確かに、目を閉じても考え事ばかり浮かんでくるし、無になるなんて難しいですよね。 でもそれって、「目を閉じて無になることが瞑想の正解」という先入観から生まれる、結果に対する自分の評価です。 つまり、「正解なんてない」というのがひとつの正解なのかもしれません。
私なりに勉強した上での、瞑想のやり方をお伝えします。
- 膝を曲げて床に座り、蓮華座(あぐら)になります。
あぐらでの座り方はヨガ的には様々ありますが、ここはまずご自分の無理のない楽な姿勢という形でOK。 - 目を閉じて、手は膝の上に、掌は上向き、軽く開いた状態でおきます。
手の置き方、指の形も様々ありますので、詳細はまた別の機会に。 - 口を閉じて鼻呼吸。一度しっかりと鼻から息を吐き出し、ゆっくりと息を吸い込みます。ゆっくり吐いて、ゆっくり吸うことを繰り返します。
息を吐く時は全部出し切るように、吐く息の最後は軽く腹筋でお腹を凹ませ、お腹側の息も吐き出すと、次に吸う息も大きく入ってきます。 - (できれば)吐く息を8秒かけて細くゆっくりと、吐ききったら4秒息を止めて、次に8秒かけてゆっくり息を吸う。
全力で息を吐くわけではなく、頭の中で数をカウントしながら細く長い息を吐き、吸うことを意識します。 - 鼻を通る息の温かい感覚、胸の広がり・閉じる感覚を感じながら、「数を数えること」と「呼吸をすること」に集中します。
様々なことが頭に浮かんできたことに気づいたら、もう一度呼吸とカウントに集中します。それを繰り返します。 - キリの良いところ、または5分・10分などタイマーをセットしたタイミングで瞑想を終え、ゆっくりと目を開けていきます。
急に目を開けるのではなく、ゆっくりとまぶたに光を取り入れるようにしながら目を開けていきます。
瞑想って、難しくないですよね?
このような1連の流れが、基本的な瞑想のやり方です。
要は、座って、目を閉じて、ゆっくりと呼吸をする。それが、瞑想の方法です。 頭に雑念が浮かんできたら、もう一度呼吸に意識を集中し、数を数えましょう。
より精度の高い瞑想を行うためには、姿勢や周囲の音で、いかに快適に座るなど様々なアプローチがあることにはあります。 しかし、基本は今お伝えしたような流れです。
難しいと言うことでは無いですよね??
目を閉じて呼吸を繰り返す中で、当然のように様々な考えが頭の中に浮かんできます。 それは、集中が途切れているときの脳の仕組みの1つです。。つまり、瞑想ができていないと言うことではなく、誰にでも起こりえる脳の状態です。 しかし、その脳の自然な状態を意識でコントロールする。それが瞑想と言っても過言ではありません。
できれば一度、ご自身のお部屋の中で少し電気を暗くしてタイマーをつけて瞑想してみてください。 5分や10分など短い時間でも、目を閉じて呼吸に集中する時間を過ごすことで、目を開けた後に落ち着いている自分を感じることができるかと思います。
ゆっくりと呼吸をすること、意識を集中することで頭の中に必要以上に浮かんでいた考えや悩みが、一旦落ち着きます。
まずはそれを、知識ではなく実感として感じてみてください。 実感があってこそ、きっと改めて瞑想への興味が深まり、知識への興味が深まります。
快適に瞑想を行うため、快適に座り続けるためにヨガを行うというひとつの考え方もあり、またそれば別の機会にお伝えしていきます。
瞑想をすれば幸せになれる方程式
よく、「瞑想をすると幸せになれる」「瞑想をすると本当の自分に気付ける」など、ちょっとスピリチュアルっぽく怪しげ?な言葉を聞くことがあります。
果たしてこれは本当か?ずばり、本当のことです。
これにはしっかりとした理由があり、特に霊的なものとかそう言ったことではありません。なるべくわかりやすく解説してみたいと思います。
集中すること。集中とは、他のことを考えないということ。
瞑想をするとき、目を閉じて呼吸に集中することは先にお伝えしました。
集中とはすなわち、他の考えを遮断すること。
まったく考えないとか、無になるとか、そこまでは正直できません。しかし、考えが浮かんできたらもう一度呼吸に集中し、それでも出てきたらなお呼吸への集中に戻る。この繰り返しです。つまり、もちろん意識もあり脳も活動しており、普通の状態です。
脳には、「デフォルト・モードネット・ワーク(DMN)」という活動があることをご存知でしょうか?
集中とは、脳がひとつのことに集中している状態を表します。マインドフルネスという言葉もありますが、ひとつのことにマインドを集中させることで、他のことを考えない、ただ目の前のことのみに集中するということです。
瞑想で言えば、集中の対象は「呼吸」。呼吸に集中することで、逆説的ですが集中の外にあるものは弛緩(ゆるむ)しています。簡単にいえばリラックスです。
様々な悩みにストレスを感じる原因は、ズバリ「悩みにフォーカスする」から。フォーカスしなければ悩みは悩みではありませんし、もちろん瞑想それ自体では解決しませんが、一旦距離を置く時間を作ることで冷静になれたり、リラックスした状態で改めて向き合うことができます。
そして、集中していない状態で脳の中はどのような活動をしているかというと、「今ここではない過去のことを整理したり、これからくるであろう未来のことを考えて予測したりする」つまりここで、悩み事を思い出し、不確定な未来に不安を感じ、もやもやとした状態になっているということです。
それ自体、頭の整理としては必要なことですが、最も大切な「今」に集中しないがために、悩んだり憂いたりということを繰り返してしまうのが「デフォルト・モード・ネットワーク」という状態。
言い換えれば、何かに集中することによってデフォルト・モード・ネットワークの状態ではなくなる=悩みから一旦距離を置ける、ということになります。
呼吸に集中することで、悩みや不安から距離を置く。距離を置くことで、今人が感じる呼吸のみに集中し、ただただ呼吸を繰り返している今の自分の体や心が愛おしくなる。距離を置くということは、その悩みに対して脳はリラックスしているということです。
つまり、悩みと距離を置き、ただ今を感じる、その時の幸福感というのはやってみなければ伝えられない温もりのような感覚があります。だからまず、瞑想をやってみて欲しいのです。
本当の自分とは、しがらみがない状態でこそ見つめられる
しがらみとは、過去への後悔や未来への不安、人に対する度を超えた気遣いや現状に縛られた状態のこと。
私たちは普通に物事を考える上で、自分の状態や現在の環境、積み重ねてきた過去から離れることはなかなかできません。「本当は何がしたいの?」と言われても、そんなことわかんないよ!と思ってしまう裏側には、それらのしがらみがあります。
しかし、瞑想をすることで様々なしがらみから一旦距離を置くことができ、そこであらためてリラックスした自分という状態で物事と向き合うことができるんです。
それはつまり、「本当の自分に気付ける」ということ。
自分は本当は何がしたかったのか、どんな思いがあるのか、環境や状況という煙に巻かれてなかなか見えないのが、この情報過多の社会に生きている私たちの大きな悩みの一つでもあります。
「デフォルト・モード・ネットワーク」はもちろん悪い状態というわけではなく、元々人間も動物としての生存本能・危機回避が大切だった頃の名残として、過去を分析し未来を予測することで危機予測をして生きていたという、重要な役割があります。
しかし現代人は、生存本能以外にも様々な悩みがあり、後悔と不安の波に飲み込まれてしまっています。
なるべく「デフォルト・モード・ネットワーク」の状態にならないために、瞑想を行う。瞑想以外にも、料理を作るときは料理を作る、仕事をするときは仕事をする、子供と遊ぶときは子供と遊ぶ、と目の前に集中することで「マインドフル」な状態となり、幸福度は増していきます。
「瞑想をすると幸せになれる」「瞑想をすると本当の自分に気付ける」
その理由には、このような仕組みのもとにあるわけです。
まずは上記を参考に、自分なりに瞑想をやってみよう!
この記事を読み終えたら、部屋の電気を暗くして、心穏やかなメディテーションmusicをyoutubeから流し、床にあぐらで座って、5分から10分の瞑想を実践してみてください。
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